過去、猫の個別相談のご縁から

こんにちは、虹の橋です。

 

今日も良いお天気ですが、朝が寒かったー。毛布をださないと。

 

 

先日の事もそうですが、保護猫活動をしていると本当に不思議なご縁を感じる事があります。

 

１年以上前の事、尼崎のシェルターでお手伝いをしていた時に連絡が入りました。

 

お相手は、数年前に茶トラ君を譲渡した、同じ尼崎に住む里親さん。

 

「脱走か！?」と急いで出ると、脱走ではなく安心しましたが、重大そうな猫の案件でした。

 

「勤務先の敷地内に弱って動かない猫がいる。どうすればいいですか？」

 

おっとー、それは大変だ！

 

猫の状態を詳しく聞くと、病院に運ぶレベルのよう。

直ぐに向かいました。

 

尼崎市内にある会社に到着すると、既に段ボールに入れられていました。

外猫なのに触れるほど弱っているのか？

 

見ると、ケガや傷はないものの、ぐったりと横たわり、危ない状態なのは一目瞭然でした。

 

このまま病院に運ぶ事を伝え、猫を受け取ると、数名の社員さんと社長さんまで出てこられ、「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と皆さん深々と頭を下げられるではないですか！

いい会社と社風だなあと驚きながら、「助けてあげれなかったらすみません。」と伝え、長年お世話になっている自宅近くの病院に運びました。

 

診察の結果、かなりの高齢である事、激しい脱水と貧血があり、救命は難しいかもしれない。少しでも楽にしてあげたいからとりあえず点滴をして預かる(入院)わ、と。

 

その猫にはオペ済みの印である耳カットがありました。

 

保護された場所が尼崎市の久々知という所なので、❝クック❞と名づけ、院長先生にお願いしました。

 

ですが、点滴を続けた三日目の朝に、クックは虹の橋を渡りました。

 

クックは良く頑張りました。

社員さんや病院スタッフ達の温かい手が向けられ、最後は一人ではなかった。

しんどかったけど、一人寂しく路上死にならなくて良かった。

 

「助けれなかった。申し訳ない。」と、頭を下げて下さる院長先生。

申し訳ないのは私の方です。　

ありがとうございました。

 

しかも院長先生は病院代はいらないと。

そんなわけにはいかないので、支払いを申し出ましたが、いらないと。

 

本当にこの病院と院長先生はつくづく凄いと思います。

 

今まで何十年も、いったいどれだけ助けられたことか。

この病院がなければ保護猫活動は続けてこれなかったです。

猫ボランティアにとって協力病院は感謝してもしきれない、とても有難い存在です。

 

お礼と感謝を伝え、クックをシェルターに連れて帰りました。

 

数名のスタッフが立ち合いをしてくれて、一緒にお花を添えている時に、クックにはシッポがない事に気付きました。

根元から全くありません。

 

変わってるねー、と話しながらクックを火葬し、クックはお空に還りました。

 

 

数日が経ち、ふと、クックの耳カットを思い出し、もしかしたら餌やりさんがクックの事を探しているかもしれない。虹の橋を渡ってしまった事を伝えないと、と思いましたが、何も手掛かりがありません。

でも、何か、ピン！ときてクックが保護された辺りの餌やりさんに連絡を取りました。

 

保護場所とは距離があるため、餌やり情報だけでも聞けたらなあ...と。

 

ことのいきさつを話し、クックの写メを送りました。

 

「キョンちゃんです！！」と、電話の向こうで相手が突然泣き出しました。

 

まさかと思い、猫の特徴を聞き出します。

毛柄は勿論、決め手になったのは全くなかったシッポです。

 

１０年前から餌やりをして、お世話をしてきたキョンちゃんだったのです。

この２週間ずっと探していたそうです。

 

既に火葬をしてしまった事を謝罪しました。

 

もっと早くに気付けば良かった。本当に申し訳ない事をしたと思いましたが、相手の方からは、何度も何度も、ありがとうございました。と言って頂きました。

 

でも、最後の姿を見せる事が出来なかったので、シェルターにキョンちゃんのお骨がある事を伝え、会いに来てもらいました。

 

お空の上でも寂しくないように、たくさんの猫が描かれた骨袋に入ったキョンちゃんを前に、涙を流してお祈りをされていました。

 

 

数年前の里親さん、数回しか話した事がない餌やりさん、猫活動をしている私が繋がり、キョンちゃんの事を伝える事ができました。

 

一つでも欠けると、餌やりさんは、見つけれるはずのない、虹の橋を渡ってしまったキョンちゃんをずっと探し、心配し、気になったままだったと思います。

 

長年餌やりさんにお世話になったキョンちゃんが餌やりさんを想い、お礼がしたくて今回の私とのことに結びつけてくれたのかは分からないけど、不思議なご縁でした。

 

キョンちゃん、どうぞ、安らかに。